(病院内報、創創より抜粋掲載)
 

アメリカの老人施設について

Retirement Comunity=リタイヤーメント コミュニティー
自分の事は自分で出来る老人のみが入居出来る。食堂やアクティビティールームがあり、趣味のクラブなどがある。行事が毎日組まれていて、楽しむのに忙しい。(ここには、アシスタントリビングといって看護婦さんの手を借りて生活する人を受け入れる部所を併設している所もある。)

Converlescent Center=カンバーレッセント コミニュティー
ケガや病気で病院から退院して、リハビリをしばらくする所。その後リタイヤーメントコミュニティーや自宅に帰る。

Nursing Home=ナーシングホーム
病院から退院しても、一人で生活が出来ない老人はここへ入居して、食事、お風呂、薬など全て看護婦さんにしてもらう。アメリカでは自宅で看護することは、まずない。

Hospis=ホスピス
Crossing Overの準備が出来た老人があちらの社会へと帰っていく日を待つ所。

Adult Day Care Center=アダルト デイ ケヤー センター
月曜日〜金曜日。バスでお迎えに行き、朝、7:30am〜5:30pmまで預かる。
温かい昼食、午前と午後のおやつ。いろいろなアクティビティー、アルツハイマーの人のゲーム、バスに乗ってドライブ、聖書クラスなど。
6人の老人に1人の看護人。1日42ドル。
また、大きい施設は上記のものを組み合わせている所もある。


『−アメリカの施設を訪ねて−』

H13/5/12(土)〜5/18(金)迄、アメリカの老人ホームの視察に出掛けました。
アメリカの施設の説明をする前に、アメリカ人の社会的背景を知る必要があります。アメリカ人は18歳以上は親と放れて自立します。大学等に進学する人は自分で学費を稼ぎます。又、老後親と同居する人はいませんので、必ず誰でも老人ホームに入ります。
この様な社会的背景において、日本より老人ホームの歴史は古く種類も豊富です。又、日本の様な介護保険は存在せず全て有料老人ホームです。しかし歴史が古い点において、学ぶ点は多くあります。
分譲タイプもあり、その種類も利用料の月額も様々です。
又、一口にナーシングホームと呼ばれていても、自立に近い人を収容する施設や日本でいう療養型病床群・或いは介護療養型病床群に当たるのも迄様々で、いずれのタイプも全て有料となります。
病院の方は全て急性期の方のみを引き受け、他はこれらの民間の施設が受け持ちます。1つの町の中の件数も大変多く、土地が安価の為部屋の間取りも大きく、介護村住宅と言えども付属の家具の他に自分の家具や身の回りの絵画・写真等を持ち込むのは、当たり前となっています。
日本では4人部屋が通常タイプなのに比較して1人部屋が普通です。又、部屋に台所が付いている所も多い様です。それぞれの部屋は大変美しく飾り付けしてあり、本当の意味での自分の部屋の光る個性が現れています。ベネチアグラスを飾り、棚にコレクションしていたり美しいベッドカバーがかかっていたり、ドアには個性豊かなリースが飾られています。介護付に入所している方々もお洒落で寝たきりの方は私達が訪れた施設には誰もいませんでした。
昼間は麦麦くらぶで行っている様なレクレーション等に参加したり、アメリカではボランティアの歴史が古いだけに、沢山のボランティアの方々が訪れ様々な催しが行われています。
入所者の方々も明るく、その生活をエンジョイしている様です。
もともと子供と同居する習慣が無いだけに、施設へ入っても疎外感を持たない為それぞれの個性に合わせて生活しているのでしょう。
訪れた翌日が丁度「母の日」だったのですが、家族が訪れ、
”Happy Your Mother`s Day”と口々に言いながら、母の日のプレゼントを渡す風景も多く見受けられ、放れて暮らしているだけに、お祝い事はきちんと相互交流をするという風潮が分かりました。
イースターや父の日、或いはハロウィン・クリスマス等も同じ事だろうと予測されました。
又、介護を必要としている方もよほど重度な方でない場合、何でも自分でやろうとする意欲が感じられ、日本の考えに無い「生きる意欲」が大変印象的でした。施設も1件のみを経営している会社より、同じ地域に何件もチェーン展開(?)している所が多くあり、自由な競争の下にサービスの内容を向上して選ばれる施設であろうとする意志が感じられました。
今後日本も介護保険を導入している(介護保険はドイツより導入したが、既にドイツの介護保険はパンクしそうになり、新たな道を求める姿が見られている)が、この様なアメリカの施設は更なる老人社会を迎える日本の姿に、決して他人事とは言えない今後の姿になると確信しています。


 

『−アメリカ バージニア 5泊7日の旅−』〜ケアマネージャー 田中 フエ子〜


事務長と二人で行って参りました。素晴らしい体験をさせていただきまして、本当に有り難うございました。
バージニアは水と緑がとても豊かで、移動は全て車ですが行けども行けども日本の木の肥さも丈も3倍もあるような大きな木の林が延々と続き、その中に大きな道路が走り、点在する家は周囲の風景と調和がとれていて、どこをとっても美しい絵になります。
ホームステイをさせていただきましたフランコスキー&千春さんの家の庭には、私の手の届く所に小鳥が巣を作り、3羽のヒナが顔を出していました。リスが遊びに来ていて野ウサギも駆け回り、小鳥は沢山来ていましたがカラスは全く見ませんでした。あちらでは沼と呼んでいましたが、大きな池は奇麗に澄んだ水を満々と湛えていました。
色々な所に行きましたが一番感心したことは、全くゴミを見ませんでした。空缶・タバコ吸い殻・ビニール袋・ガム等全く見る事なく、日本を考えて恥ずかしくなってしまいました。いかに自然を愛し、自分達の住む地域全体を大切にしているかを感じました。
6ヶ所の老人ホームやナーシングホーム等を見学しました。
アメリカでは医療保険制度はありません。老人ホーム等も全て自費。老後が大変なので一生懸命に生きるのでしょうか?自分自身も大切に、他の人も大切に!!が良く伝わって来ます。知らない私達にも困っているなと見るとすぐに声をかけて来て助けていただきました。
5月13日は「母の日」。フランコスキーさんがカーネーションの花を胸に付けてくださいました。それを付けていると”Happy Your Mother`s Day”と皆が声をかけてくれました。明るく思いやりのある言葉を常にかけ合って、人と人との触れ合いをとても大切にしていました。
自分の老後は自分で、子供達に頼らずしっかり生きよう!!一度の人生、自分をも他人をも大切に精一杯生き生きと楽しく生きようとしているように見えました。
自分自身の人生を生活をとても大切にしていると思いました。
老人ホーム、ナーシングホームはどの部屋も思い出いっぱいの品物や家族の写真で明るく飾ってありました。又、どの施設も必ず美容院があり、週1回奇麗にしてもらうとのことでした。
どの施設もとても親切に案内していただきましたが、英語が話せないのが残念!!12時間+1時間の空の旅は、空気がひどく乾燥していて目が赤く、皮膚がカサカサになったのが辛かった他は、本当に素晴らしい心の窓が大きく開いた旅でした。
最も感激した事はホームステイを4泊させて下さった、千春&ジョゼ・フランコスキーさんご夫婦が、毎日言葉の出来ない私達のために車で施設を見学させてくださった事、食事に連れて行ってくださったり、小さなパーティーに連れて行って下さったりと、心から一生懸命接待してくださった事、全くボランティアで他人のためにこんなに一生懸命、何日もお付き合いくださった事、日本人の私達には考えられない事です。
事務長の心意気に賛同して下さったのでしょうか。お互い理想を話し合い、おしゃべりに花が咲いた楽しい楽しい1週間でした。
本当に有り難うございました。

 




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